不動産投資は、その名のとおり不動産に投資して収益を得ることで、資産運用においては今も昔も株式投資と並んで主役級の存在です。
不動産投資を始めるにあたり、物件探しよりも先に行うべき事前準備が3つあります。
今回は、初心に戻ってこれらの事について考えてみましょう。
①現状と目標を明確にする
現状の把握と目標の設定は、投資手法の決定に大きく関わってきます。
ローンを借りる場合、年収や資産状況、勤め先、勤続年数、家族構成、借入額など金融機関は個人の属性をチェックします。この属性によって、ローンの借入限度額が変わってきます。現状把握によって借入額が予測でき、投資物件の規模や形態などを絞り込むことができるでしょう。
もちろん投資用物件への融資審査には、個人の属性に加えて物件の担保評価も含まれます。属性のみで融資額が決まるわけではありません。しかし属性から分かるある程度の予測なしに物件を決めてしまうと、金融機関から借りたい額が借りられず、イチから物件探しをやり直さなければならないことも。これでは、時間と労力が無駄になってしまいます。
さらに、不動産投資で実現したい目標を明確にしましょう。例えば・・・
・家賃収入のみで生計を立てたい
・働けなくなるリスクを考えて、もう1つ収入源を確保したい
・相続税対策
・生命保険代にしたい
など不動産投資の目的は人それぞれでしょう。
大家一本にしたいのであれば、投資を拡大させていく必要がありますし、あくまでも副収入として考えているのであれば、1物件でも可能かもしれません。このように、何を目指すかによって投資手法が変わってきます。
現状と目標が明確になれば、おのずと投資対象物件の条件が絞り込まれていくものです。この作業をしておくだけで、物件選びに進んだ時に、ぐんと物件が選びやすくなるでしょう。
②自己資金を貯める
不動産投資を始めるには、自己資金が必要です。
まず物件の売買契約には、物件そのものの購入費用以外にさまざまな初期費用がかかります。初期費用は一般的に物件価格の6~8%といわれています。頭金を投入しないフルローンを組むとしても、初期費用分の自己資金は用意しなければなりません。
また先述の通り、ローンの返済比率は50%程度が理想的です。返済比率が高くなると、キャッシュフローが出にくくなり、赤字となるリスクを高める可能性があります。
返済比率を下げるために、頭金として自己資金を投入する必要が出てくるかもしれません。また金融機関によっては、頭金なし、もしくは頭金が少ない場合、融資が通らないケースもあるでしょう。
その他運用開始後も、突発的な修繕や空室が続くことによる持ち出しなど、何かと自己資金が必要なケースが出てきます。
自分が購入したい物件の価格から逆算し、どのくらいの自己資金が必要か計算してみましょう。さらに修繕費や10~15%程度の空室損などを考慮したシミュレーションを行い、十分な自己資金を確保しておくと安心です。
③不動産投資の知識をつける
不動産投資についてよく分からない状態で始めようとすることは非常に危険です。知識がないと、情報の正誤や適切な対応など、自分自身で判断することができません。
悪質な不動産会社であれば、言われるがまま利益の出ない物件を掴まされてしまうかもしれず、失敗すれば「騙された」ということになってしまうでしょう。
たとえ一般的には優良な物件を勧められたとしても、自分の投資手法に合わず、失敗してしまう場合もあります。
投資は自己責任です。不動産投資は多額のお金が動く取引であり、重要な判断を求められる局面が多くあります。正しい知識と情報は、不動産投資において非常に重要であることを覚えておきましょう。