福岡市中央区六本松は、かつて福岡城を目指す人々の目印であった六本の松が由来で、古くから交通の要衝として栄え、武士や町人が行き交う場所だったそうだ。1921年には旧制福岡高等学校が設立され、後に九州大学・六本松キャンパスに変遷することで学生街として発展したが、同大学キャンパスは09年に西区に移転し、若者の街としての役目を終えてしまうことになった。学生や職員が姿を消すわけだから、エリアのあらゆる産業が大打撃を受けたことだろう。
ところが14年に状況は一変。なんと、
JR九州が跡地2万1000㎡の土地を落札し、商業施設やマンションなどが入る2つの複合施設を建設する方針を示したのだ。そして開発は進み、昨年9月には住所である六本松4丁目2番1号にちなんで商業施設の「六本松421」がオープン。延べ床面積は3万7000㎡で、1~2階の商業エリアにはスーパーや飲食店、蔦屋書店、クリニックモールが入り、3階には九州大学法科大学院、3階~6階には福岡市科学館、RFには屋上庭園がある。隣接する「SJR六本松」は有料老人ホームで、道路を挟んで建つ「MJR六本松」は総戸数351戸のマンション。1階にはコンビニや銀行、飲食店がテナントとして入っている。科学館は親子連れを中心に人気が高く、昨年10月に開館してから今年6月で来館者数100万人を突破したほどだ。運営主体のJR九州はこれと商業エリアで年間360万人ほどの来場を予想している。
これに伴い賃貸相場も上昇し、この1年で平均5000円ほどの引き上げが見られている。
中古マンション相場も同様で、1年前は平均で3000万円を切っていたのが、今年8月には3300万円を超えたというから驚きだ。六本松の場合、裁判所や検察庁、県弁護士会館も順次移転が始まっていて、20年度には同エリアを通る市営地下鉄七隈線が博多駅まで延伸するといった計画も。さらに人が集まるので、今後も大家にとっては追い風が吹くだろう。
街の計画に沿って物件を選ぶことが、不動産投資家にとっていかに重要かわかる事例と言えるだろう。弊社では、全国の物件を取り使っておりますので、是非一度ご相談いただきたい。